美への執着

先日、久々にコンサートに行ってきました。

春にラ・フォル・ジュルネで聴いた演奏が殊の外感動したので、秋に来日されることを知り、発売当初に予約しました。

そのおかげでファンクラブに入会しているかのごとく、最前列で聞かせてもらいました。演奏中はほぼ目を閉じているため、あまり前でなくても良かったのですが、前に誰も居ないというのは見やすくて良かったです。手元もよく見えて、ピアニストの超人さがよく分かる感じです。本当にどれだけの努力をされているのだろうと、思わずにいられません。

ピアノやホール(座る位置)によって、音の響きが全然違うと思うので、あるいは演奏者の得意とする曲目もあるのかな?と素人ながらに思いますが、前回のように号泣することはありませんでした。でも、圧倒的な技術力と繊細な音が素敵で、素晴らしい演奏会でありました。

前回のコンサートでは、ピュアな音の一粒一粒が輝きを放っていると言いますか、目を閉じ半瞑想状態で聴いていたので、テーマである「水と光」そのものを感じさせるような、圧倒的な美の中でただただ号泣してました。

クラシックコンサートで泣くというのは殆どないので、貴重な体験でした。

 

ただ、ショパンの曲の中で一番馴染みのある「子守唄」がアンコールで演奏された時には、泣けてきました。「あー、ここで来ましたか」的な。(苦笑)

前に、お不動様の所で瞑想をしてちょっとした体験をした後、身内が亡くなった時に感じるような深い静かな悲しみがしばらく続きました。「これ、いつまで続くのだろう?」と、その時は厄介に思いましたが一日ほどで終わりました。

その時に聴いていたのがこの曲で、それ以来これを聴くと深い「悲」の感情と結びついてしまいます。

 

そして、会場の物販コーナー。

聞きたいCDがあって、前も買わずにサイン会を横目に帰って何となく後悔していたため、しばし物欲と葛藤していましたが、「CD買うと、サイン会と握手会」が決め手となり、最終的には負けてしまいました。

しかし、帰宅後久々に手にした嗜好品にいきなり傷をつけるという失態により、「こんなものだよね」と物の儚さを感じました。

あー、まだまだ修行が足りません。

でも、彼オリジナル編曲のピアノだけのモルダウは本当に聴き応えがあります。

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